・・・ 排除のかわりに親和が、反省のかわりに、自己肯定が、絶望のかわりに、革命が。すべてがぐるりと急転廻した。私は、単純な男である。 浪曼的完成もしくは、浪曼的秩序という概念は、私たちを救う。いやなもの、きらいなものを、たんねんに整理して・・・ 太宰治 「一日の労苦」
・・・男女間の親和は全部恋愛であるとするなら、私たちの場合も、そりゃそうかも知れないけれど、しかし私は、そのひとに就いて煩悶した事は一度も無いし、またそのひとも、芝居がかったややこしい事はきらっていた。「お母さんは? 変りないかね。」「え・・・ 太宰治 「メリイクリスマス」
・・・もとよりこの二流は、はじめより元素を殊にするものなれば、とうてい親和抱合すべからざるものと思わるれども、人事紛紜の際には思のほかなる異像を現出するものなり。近くその一例を示さん。 旧幕府の末年に、天下有志の士と唱うる人物の内には、真に攘・・・ 福沢諭吉 「学者安心論」
・・・彼は社会を求めないで、世界親和を求める。 自我人より全人。兄弟愛 和解 「悪霊」を読んでみたい。 Dのリアリズム 自然主義とのちがい○顕微鏡の力と予言者の視力とをかね備えた 彼の幻想家的な知・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
出典:青空文庫