・・・ 第一次大戦終了の後、漸々新婦人協会が治安警察法第五条の改正を議会に請願し、世界の社会情勢に押されて一九二二年その改正建議案は貴衆両院を通過したが、その三年後には当時の内閣が、婦人公民権に対してさえ不許可を声明したのであった。昭和五年と・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・エロ・グロ出版の排除という、誰も非難しようのないいとぐちによって、時事新報が誤って報道したように、万一その委員会が、刑法改正請願というような逸脱行為に導かれれば、それはとりもなおさず外見は民間の声というファシズムの手のひらで、民主的発言の口・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・ 大正九年、大戦後の波は日本の社会にもうちよせ平塚雷鳥の新婦人協会が治安警察法第四条の改正を議会へ請願したりする迄の十数年間、日本の一般の家庭婦人の経た政治的訓練というものは、一部の婦人の選挙の前後の内助的活動と、選挙が近くなるとあすこ・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・に、聖旗をかざした女子供を先頭とする約十万の民衆が、日露戦争の終結、政治的自由の保証、パンと職とをツァーに求めて冬宮広場に進んだ時、ガポン僧正の裏切りによって、聖像を先に立てて「父なるツァー」に請願のため行列して行った民衆は、冬宮を背にして・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・一九〇三年堺利彦等によって平民新聞が発刊されたとき、この治安警察法第五条を撤廃させようとして、堺ため子が議会に請願書を出した。第一次大戦終了後の大正年代に、新婦人協会など同じ目的のためにさまざまに努力したけれども、今回第二次世界大戦敗北によ・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫