・・・身持ちになっても休めばクビであるから辛棒して働き、機械の前に倒れてそのまま赤字を生むことさえ珍しくなかった。物がわかると、獣のような生活から反抗するから、皇帝と資本家と地主との政府は、女を軽蔑して学問をさせず「女と牝鷄は人間でない」というこ・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
・・・凡そ昨年の十二月までにたいていの家庭では、今までの貯金を使い尽し、復員手当、解職手当をも食込んでしまった。赤字は危険信号を鳴り響かせている。この赤字の中でどうして人々は生きているだろう。官庁などの月給は、今日の下駄一足、足袋一足に近い金額の・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・市は赤字だといって市電従業員の賃銀を下げたが市会では暴力までふるって市議歳費値上げを決定した。府の扶助料とりあげの記事が何となし、その実例を読者の脳裡に思い出させるのは何故であろうか。 五 女を殴る 先日、ある・・・ 宮本百合子 「私の感想」
出典:青空文庫