・・・ 常に労働者と鼻突きあわして住み、また農産物高の半面、増税と嵩ばる生活費に、農産物からの増収を吐き出して足りない百姓の生活を目撃している者には、腑甲斐ない話だとそれは嘆ぜられるのだ。攻勢の華やかな時代にプロレタリア文学があって、敗北の闇・・・ 黒島伝治 「田舎から東京を見る」
・・・拵えたものが農村で入用だのに、その代りとして農産物を出したくないという非常識なものがあろうとも思えない。では、その二つの極を、どういう仕組みで繋いだら、一番総ての人の満足に近づくことが出来るだろうか。そういう風に考えを展開させてゆくことは、・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・ところでソヴェト同盟は五ヵ年計画で農産物の生産額をウント増し、一人当りの肉、パン、卵、野菜、バタなどの消費量を高めよう――つまりもっともっとプロレタリアート、農民にいい美味いものを食わせようとかかっているのだ。 例えば現在ではソヴェト同・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
出典:青空文庫