かえしうた【返し歌】
1 贈られた歌に答えて詠む歌。返しの歌。返歌 (へんか) 。かえし。⇔懸け歌。 2 長歌に添えた短歌。反歌 (はんか) 。 3 神楽歌 (かぐらうた) や東遊 (あずまあそ) びで、歌を二段に分けて歌うとき、前の段の末句を後の段の末で繰り返して歌うこと。
かえしがたな【返し刀】
1 一方へ切りつけた刀をすばやく翻して他のほうへ切りつけること。また、その刀。返すかたな。 2 竹や木の枝の先などを斜めに切ったあと、その先端を反対側から切って少しそぎ、とがりをなくすこと。「枝の長さ七尺、あるいは六尺、—五分に切る」〈徒然・六六〉
かえしこうばい【返し勾配】
日本建築で、45度以上の急勾配。45度を引いた残りの勾配で傾きを表す。
かえしじ【返し字】
「返り字」に同じ。
かえしじょう【返し状】
返事の手紙。返書。〈日葡〉
かえしどめ【返し留め】
裁縫で、縫いおわりに、糸が抜けないように、二針三針縫い戻して留めること。
かえしぬい【返し縫い】
手縫いの縫い目を丈夫にするため、針目を返しながら縫うこと。また、ミシン縫いの始めや縫い終わりを、引き返して縫うこと。
かえしばり【返し針】
手縫いの途中で、縫い進んだ針を一針戻すこと。
かえしぶみ【返し文】
返事の手紙。返書。かえりぶみ。
かえしまく【返し幕】
歌舞伎で、同じ幕の中のいく場かを回り舞台で続けないで、いったん幕を閉めて次の場を開けること。下座音楽・柝 (き) などで間をつなぐ。かえし。