・・・一般の不信と疑問はこの委員選出法に集中されている。なぜならば、我々は現在の政府が一般の信頼をかちえない人物を網羅していて政府閣僚は最近の新聞に報道されるどっさりの不正利得に関する事件および涜職事件に関係のない者はいないほどの有様である。現閣・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・ 前年度の秋から、文芸懇話会賞の授賞者選出にからんで文化統制の問題が一般文化人の関心をあつめていたが、この年は、ヒューマニズムの問題が、単に文学における能動精神、行動主義一流派の主張という範囲を脱し、暴力からの人間再生の要求として拡げら・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・政治的な成長ということは、必ずしも隣組選出の区議を当選させるために主婦たちが活躍するというような末梢のことではあるまい。 大きく日本の世界におけるありようを知って、自分の愛する家族たちの動き、浮沈について利害をこえた理解同情をも抱ける婦・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・住んでる連中から選出の委員制度だ。 うまい食事を ――やすくて、美味いプロレタリアの食事を―― レーニンは、婦人を台所から解放し、勉強したり、休んだりする時間を出来るだけ沢山与え、文化の程度を高めようとして・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・一都市の政治的、商業的問題を本国と取定める場合には、誰か、彼等の信任する一人を、あらゆる舌、あらゆる心の代表として選出しなければならない。共和政体は、合衆国が独立を宣言するより以前から、その胚種を持っていたのではないでしょうか。 困難に・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
・・・ 同志小林が書記長に選出された頃、どんなことをしても一日に二枚は小説を書いているのだと話した。 去年四月、文化団体に敵の暴圧が下された時から、同志小林多喜二は非合法生活に入った。それから僅か十一ヵ月目に、彼の輝かしい生涯は英雄的・・・ 宮本百合子 「同志小林多喜二の業績」
・・・ 近頃熾に東京日日新聞で、日本新八景の投票を募っているが、あれなど、どういう眼目で新八景を選出しようというのか。那須も塩原も、十位の外に洩れまいとして滞留客へまで帳面を廻し、ハガキ百枚、二百枚と寄附して貰い、三井さんが一万枚寄附して下す・・・ 宮本百合子 「夏遠き山」
・・・三十数名の婦人代議士が選出されたなかに多くの未亡人がある。これら喪服をつけて立つ婦人代議士は、再び戦争というもののない世界のために協力し、参加しようとして立っている。裂かれた胸と血涙とをとおして、平和をもたらす決心かたく、女性の叫びとして立・・・ 宮本百合子 「人間の道義」
・・・今回の総選挙で計四六四名の代議士が選出されたなかで、最高点を占めた婦人候補者が五名もいるのである。 この結果は、誰にとっても、いくらか予想外の感じを与えている。婦人の進出の目ざましさは大変派手やかに写真入りで各新聞に語られているし、外人・・・ 宮本百合子 「春遠し」
・・・「では、起草委員を選んでそのことに当りたいと思います。選出方法は」「議長一任!」 大会は、朝鮮プロレタリア作家同盟ばかりでなく、他の友誼団体へのメッセージ起草をも決議した。 討議は正味八時間余ブッ通して行われ、日本プロレ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫