りょうしもつれ【量子縺れ】
二つ以上の粒子や系が、量子力学的に相関をもっていること。また、そのような性質。それらの粒子や系は互いの空間的な隔たりに依存しない非局所性といわれる相関をもち、古典物理学では扱うことができない振る舞いを示す。この量子もつれを利用した量子コンピューターや量子テレポーテーションの研究が進められている。量子相関。量子絡み合い。量子エンタングルメント。エンタングルメント。
りょうしじょうほうかがく【量子情報科学】
量子力学の原理に基づく情報科学。量子力学的な重ね合わせの状態にある量子ビットを情報の最小単位とし、量子もつれや量子テレポーテーションといった古典物理学にはない量子力学固有の性質を、積極的に活用する。従来のものとは比較にならないほど高速な演算を可能とする量子コンピューターや、原理的に、盗聴や第三者による解読が不可能な量子暗号などの実用化に向けた研究が進められている。
りょうしゆらぎ【量子揺らぎ】
量子力学に従う系に伴う、物理量の揺らぎ。測定値による誤差ではなく、量子力学的な効果によって、原理的に存在する、確率的な揺らぎをさす。量子論的揺らぎ。
りょうしろんてきゆらぎ【量子論的揺らぎ】
⇒量子揺らぎ
りょうしこうがく【量子光学】
量子力学を基礎に、光の粒子性や光と物質の相互作用について研究する光学の一分野。
りょうしじゅうりょく【量子重力】
量子化された重力。また、そのような理論を量子重力理論という。一般相対性理論では重力場を古典論的な場として扱う。しかし一般相対性理論の枠組みでは、ブラックホールの事象の地平線近傍や特異点のように、量子論的効果を無視できない状態を正確に記述することができない。超弦理論をはじめ、いくつかの理論が候補に挙がっているが、まだ完成には至っていない。
りょうしビーム【量子ビーム】
光子や中性子やイオンなどを極めて細いビーム状に射出したもの。レーザーやシンクロトロン放射、加速器、原子炉などで生成され、強度やエネルギーが高く、量子論的な波としての性質をもつ。ビームを細く集束したり、パルス状に射出したりすることで、原子スケールで物質の構造やふるまいを観測・測定するほか、微細加工や新規材料開発、放射線治療の分野などで応用される。
りょうしホールこうか【量子ホール効果】
半導体と絶縁体の界面のような二次元に閉じ込められた電子が極低温の状態で示す量子論的なふるまいの一。磁界を強くするにしたがい、電流と磁界の両方に垂直な方向に生じる電位差が、離散的なとびとびの値をとる現象を指し、これを整数量子効果という。1980年にドイツの物理学者クリッツィングが発見し、1985年に同業績によりノーベル物理学賞を受賞した。
りょうしかごさ【量子化誤差】
量子化したデジタル信号をアナログ信号に変換する際、元のアナログ信号との間に生じる誤差。量子化ビット数が大きく、サンプリング周波数が高いほど、誤差は小さくなる。量子化歪 (ひず) み。量子化雑音。量子化ノイズ。
りょうしかざつおん【量子化雑音】
⇒量子化誤差