くもいぢょうし【雲井調子】
近世箏曲 (そうきょく) で、平調子 (ひらぢょうし) とともに最も普通の調子。平調子の第3と第8の弦を半音下げ、第4と第9の弦を1全音上げたもの。
くもいなす【雲居なす】
[枕] 1 雲のかかる遠くの意から、「遠く」にかかる。「隼人 (はやひと) の薩摩 (さつま) の瀬戸を—遠くも我は今日見つるかも」〈万・二四八〉 2 雲のように揺れ動く心の意から、「心」にかかる。「—心もしのに立つ霧の思ひ過ぐさず」〈万・四〇〇三〉
くもいのさくら【雲居の桜】
1 宮中にある桜。 2 吉野山世尊寺の近くにあったという桜。
くもいのそら【雲居の空】
1 雲のある大空。「はかなくて煙となりし人により—の睦 (むつま) じきかな」〈和泉式部集・上〉 2 遠く離れた所。また、宮中。「君は三笠の山高み—にまじりつつ」〈増鏡・おどろの下〉
くもいのよそ【雲居の余所】
遠く離れている所。はるかに隔たった所。「限りなき—に別るとも人を心に遅らさむやは」〈古今・離別〉
くもいはるか【雲居遥か】
[連語] 1 非常に遠く離れているさま。「ちはやぶる神にもあらぬ我が仲の—になりもゆくかな」〈後撰・恋六〉 2 及びもつかないさま。「逢ふことは—になるかみの音に聞きつつ恋ひわたるかな」〈古今・恋・一〉