・・・求めるということのために、権力は自由を奪い、人間檻のなかにうちこんで、時間に関する観念や自分のいる位置についての観念を全く失わさせ、番号でよんで、法律でさばくという状態は、野蛮であり、資本主義の権力の非理性さである。一人の人間が歴史に目ざめ・・・ 宮本百合子 「あとがき(『二つの庭』)」
修身は、子供の全生活からうける生活感情の整理ですから、大人の生活にまず修身し、人間的理解の確立がいると思います。 現代の非理的な現実理解に人民たる大人の疑問が積極的に表現されなければ修身はなりたちますまい。〔一九五・・・ 宮本百合子 「「修身は復興すべきでしょうか」に答えて」
・・・理性が理性であることを証明するためには、あらゆる歴史の世代が、当面する非理性的な力、無知と権力の暴力とたたかって来ました。そして、それらの暴力はいかに兇暴であるようでも、歴史の長い過程においては、遂に一時的なものでしかあり得ないことを実証し・・・ 宮本百合子 「若き僚友に」
出典:青空文庫