・・・や創作「養蚕地帯の秋」などは、地方の生産、それとの関係においての人々を描き、興味があった。文学のひろびろとした発展のために無規準な地方色の偏重は不健全におちいるのであるが、その地方の生産に結びついている大衆の文学的欲求とその表現とがより潤沢・・・ 宮本百合子 「新年号の『文学評論』その他」
・・・ アンマの木村 六十九歳、 若いうち、いろんな渡世をし、経師や、料理番、養蚕の教師、アンマ、など。 冬、赤いメンネルのしゃつをき、自分でぬいものをもする。「あんたどの位あります」などときく。小柄、白毛。総・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・ 斯うして、荒れやすい土を耕し、意地の悪い冬枯と戦うにも只、昔からの伝習だの、自分の小さい経験などを頼む事ほかしない。此処いらの純農民は、随分と貧しい生活をして居る。 養蚕は比較的一般に行われて、随って桑畑も多い。けれ共、大業にする・・・ 宮本百合子 「農村」
・・・シャギニャーンは、暇々にツァーのロシアの社会で指導的位置をもっていた象徴派の婦人詩人ギッピウスの詩の批評を書きながら、その紡績専門学校で養羊学と、養蚕学とを講義しはじめた。「十月」にはびっくりした若い女教師アンナ・カラヴァーエだって、い・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
出典:青空文庫