餓鬼に苧殻
力のない者が、折れやすい苧殻を振り回すようなもので、頼りにも力にもならないことのたとえ。
餓鬼の断食
《餓鬼は断食しようとしまいと、おのずから断食の状態である意から》当然のことを、ことさらに言い立てて、人前をつくろうことのたとえ。
餓鬼の目に水見えず
《餓鬼は、のどが渇きすぎているので、そばに水があっても気づかない意から》熱望するあまり、かえって求めるものが身近にあることに気づかないことのたとえ。
餓鬼の物をびんずる
《「びんずる」は「引っ取る」を「餓鬼」の縁で「賓頭盧 (びんずる) 」に掛けていったものか》餓鬼の得た食物を奪い取る。貧乏人から物を奪うようなひどいことをするたとえ。
餓鬼も人数
つまらない者でも、いれば、多少の効果があることのたとえ。また、取るに足りない者も多く集まれば、あなどりがたいことのたとえ。
がきあみ【餓鬼阿弥】
餓鬼のようにやせおとろえ、耳鼻も欠け落ちて生気のない者。「箸に目鼻の—を、夫 (つま) とはさらにしらいとの」〈浄・反魂香〉
がきだいしょう【餓鬼大将】
子供たちの仲間で、いちばんいばっている子供。
がきだな【餓鬼棚】
盂蘭盆に、無縁仏を供養するために設ける棚。祖霊を迎える盆棚とは別に作られる。無縁棚。
がきどう【餓鬼道】
六道の一。餓鬼の世界。常に飢えと渇きに苦しむ亡者の世界。「大海に浮かぶといへども、潮なれば飲むこともなし。是れ又—の苦とこそおぼえ候ひしか」〈平家・灌頂〉
がきのめし【餓鬼の飯】
盂蘭盆に無縁仏に供える食物。