・・・ Sr. H. Tsuji……Unua……Aprilo……Jaro……1906……」「何かしら? dua……Majesta……ですか? 1926 としてありますね。」「これは、ほれ、水葬した死骸についていたんじゃないか?」 O君・・・ 芥川竜之介 「蜃気楼」
・・・こうしたところには、彼等の天性の美を見ることも出来なければ、造物主が彼等によって示さんとした天賦の叡智、敏感、正直さというようなものも、ついに知られずにしまったのであります。もしこの世の中に、彼等を心から愛する、文学者、芸術家、若くは真理に・・・ 小川未明 「天を怖れよ」
・・・ 生命の法則についての英知があって、かつ現代の新生活の現実と機微とを知っている男女はこの二つの見方を一つの生活に融かして、夫婦道というものを考えばならぬ。 人間が、文化と、精神と霊とを持っているのでなかったら夫婦道というものは初めか・・・ 倉田百三 「愛の問題(夫婦愛)」
・・・カントは人間の英知的性格の中にその源を求めた。しかし自由を現象界から駆逐して英知的の事柄としたのでは、一般にカントの二元論となり終わり、われわれの意識を超越した英知的性格の行為にわれわれが責任を持つということが無意味になってしまう。 ハ・・・ 倉田百三 「学生と教養」
・・・: Il trionfo della morte.Rousseau : Confessions.Turgenev : Die erste Liebe.Pushkin : Onegin.Heine : Buch der Lie・・・ 倉田百三 「学生と生活」
・・・しかし生の真理の重要な部分はむしろ非合理的の構造を持ち、それを把握するためにはそれに対応する直観的英知によらねばならぬ。さらに生の真理の最深部は啓示によるのでないならとらえることができぬ。否それはわれわれがとらえるのでなく、とらえられるので・・・ 倉田百三 「学生と読書」
・・・信心の英知の目をみ開いた女性ほど尊いものはないのである。そうでないとどんなに利口で、才能があり、美しくても何か足りない。しかも一番深いものが足りない。また普通にいって品行正しい、慈愛深いというだけでもやはりいま一息である。その正しいとか、い・・・ 倉田百三 「女性の諸問題」
・・・そこに人間の最も人間らしい悩みの中心課題があり、そこからまた従って英知とか諦めとか悟りとかいうものが育ってくるのである。人生の離合によって鍛えられない霊魂の遍歴というものは恐らくないであろう。 合うとか離れるとかいうことは実は不思議なこ・・・ 倉田百三 「人生における離合について」
・・・過去において明らかにかような名辞を用いたのは、私の知る限りでは、Professor W. H. Hudson のルーソー論に Naturalism in Life と言っているのなどがその最近の例である。これは言うまでもなくルーソーの「自然・・・ 島村抱月 「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」
・・・かつて叡智に輝やける眉間には、短剣で切り込まれたような無慙に深い立皺がきざまれ、細く小さい二つの眼には狐疑の焔が青く燃え、侍女たちのそよ風ほどの失笑にも、将卒たちの高すぎる廊下の足音にも、許すことなく苛酷の刑罰を課した。陰鬱の冷括、吠えずし・・・ 太宰治 「古典風」
出典:青空文庫