・・・りまた中立の他の一人なりが試験的の監督となりリーダーとなってその人が単に各句の季題や雑の塩梅を指定するのみならず、次の秋なら秋、恋なら恋の句をだれにやらせるかまでをも指定し、その上にもちろんできた句の採否もその人に一任するとして進行したらど・・・ 寺田寅彦 「連句雑俎」
・・・今月の二十日頃採否がきまります。いずれにせよ、この家には住まないことになりました。KUが私がいないではSUと住むことを我慢しきれないというの。SUの方でも。――ケンカ別れをしてしまうより別々に暮そうということになったのです。二人ながら生活に・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・議員も閣僚たちもみんなわたしたちの税で、歳費を支払われている人々である。民主日本の四年目に、わたしたちはせめてはっきりと、いやなものはいやという言葉の使いかたとそれに準じた行動のとりかたを身につけたいと思う。〔一九四九年一月〕・・・ 宮本百合子 「今年のことば」
・・・市は赤字だといって市電従業員の賃銀を下げたが市会では暴力までふるって市議歳費値上げを決定した。府の扶助料とりあげの記事が何となし、その実例を読者の脳裡に思い出させるのは何故であろうか。 五 女を殴る 先日、ある・・・ 宮本百合子 「私の感想」
出典:青空文庫