・・・ 食うか、くわれるか=バルザックには金、権力、称号が目的、 ∥ フランス○ドイツ の全作品の主人公のタイプ 天才のタイプ 発展小説 修業時代よりマイスターへ ドストイェフスキーの人物が現実の生活と・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・ 十九世紀中葉のその時代のイギリスで、病人の看護をするのが聖業であるというような女は、他のまともな正業には従えない女、主としてもう往来を歩くには年をとりすぎたアルコール中毒の淫売婦あがりの婆さんたちであった。こういう看護婦というもの・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」
・・・ジェルテルスキーが、上海で始めて彼女に紹介された時、彼女は、何か特種な称号でも云うように、「ええ、私マダム・ブーキンと申しますの、どうぞよろしく」と紅をさした頬で微笑った。髪の黒い、黒い眼のキラキラした痩せぎすの彼女にとって、マダム・・・ 宮本百合子 「街」
・・・とを区別したことは、君の作画の態度と照合して注目に価する。一般に意味せられている写実とは、「事実」を写すのである。しかし芸術の名に価する写実は「真実」を写したものでなくてはならない。そうしてこの「真実」は写す人の心の内にある。同じ自然を写し・・・ 和辻哲郎 「『劉生画集及芸術観』について」
出典:青空文庫