・・・日曜日ごとにゴルフとまでは行かないプチブルらしくベビー・ゴルフというものへ、半ズボンはいて行くO氏のお伴をしなければ、不和を生じるという場合、どうしてK子はO氏との恋愛をよろこび、共に発育して行く人間らしい楽しみを感じることが出来ましょう。・・・ 宮本百合子 「ゴルフ・パンツははいていまい」
・・・ところが、彼女が八つの年、ポルトヴァの貴族である父親と、やはり古い貴族の娘である母との間に不和が生じて、別居することになった。母はマリア、叔母、ジナという従姉、祖父、「天使のように比類ない」家庭医ルシアン・ワリツキイ、侍女などを連れ、ロシア・・・ 宮本百合子 「マリア・バシュキルツェフの日記」
・・・ゴーリキイはソヴェト・ロシアを見すてたとか、レーニンと不和になって除名をうけたとか。 五年の歳月は事実において、そういう見方の誤っていたことを示した。一九二八年の初夏、五年ぶりでゴーリキイがソヴェト同盟に帰って来た時、彼は大衆的な歓迎の・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
出典:青空文庫