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・・・ ネネムは嬉しくて口笛を吹いてただ一息に三十ノットばかり走りました。「ハンムンムンムンムン・ムムネの市まで、もうどれ位ありましょうか。」とペンネンネンネンネン・ネネムが、向うからふらふらやって来た黄色な影法師のばけ物にたずねました。・・・
宮沢賢治
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」
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・・・船体の計算に誤算があるので、おれはそれを直してみたのですが、おれの云うようにすれば、六ノット速力が迅くなる、そういくら云っても、誰も聞いてはくれないのですよ。あの船体の曲り具合のところです。そこの零の置きどころが間違っているのです。」 ・・・
横光利一
「微笑」