・・・農民生活を題材としても、その文学のねらう、主要なポイントは、プロレタリア文学が所期するのと同じ方向に一致させようと、常に努力されて来ている。 しかし農民と、工場プロレタリアとは、その所属する階級がちがっている。そしてプロレタリア文学が「・・・ 黒島伝治 「農民文学の問題」
・・・学位論文として著者が自信をもって提出するほどのものでなんらか斯学に貢献するポイントをもたないようなものは極めて稀であろうと思われるのである。あらを拾えば切りはない。あらはないが何の取り柄もない論文は百あっても学問は進まないであろう。 学・・・ 寺田寅彦 「学位について」
・・・ 蛋白質は十八ポイント五パアセント、脂肪は九ポイント三パーセント、含水炭素は一ポイント二パーセントもあるのです。鶏の肉はただこのように滋養に富むばかりでなく消化もたいへんいいのです。殊に若い鶏の肉ならば、もうほんとうに軟かでおいしいこと・・・ 宮沢賢治 「茨海小学校」
・・・そんならそれでいいではないかポイントマンだのタブレットだの面倒臭いことやめてしまえと斯う云うことになりますがどなたもご異議はありませんか。」斯う云ってその人はさっさっと席に戻ってしまいました。すると異教席からすぐ又一人立ちました。「私は・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
・・・一九四六年にはあのように日本民主化のキー・ポイントとして内外から注視された婦人の団体があげられていないのはどうしたわけであろう。日本の青年のこんにちの生活内容は日本の民主化と世界平和のために、彼らに豊富な発言の要求を感じさせている。その青年・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・散文と詩とを、アランのようなポイントから外的なもの内的なものとしていない。唯受動的に自己自身と他からの働きかけの間の調整を求めるもの、ただ合図の叫びとして在るのではなく、散文は自己と外からのものとの間から生れた更に新しい一つの人生的な価値を・・・ 宮本百合子 「作品のよろこび」
・・・封建的な諸現象には反対しながら、自分と社会とを封建から根本的に解放するキイ・ポイントがどこにあるかということについては、実に信じられないほど僅かしか知らず、漠然としかしらず、しかもその僅少な理解と漠然たる翹望は、今日、ちっとも民主的でもない・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・ドストイェフスキーのロシア主義の分析こそ、ツワイクを活かすか死なしたかのポイントにふれている。○しかしこの場合ロシアとはいかなるものであるか。 ここでも リアリズムと空想力、火と水とのさわがしい混淆が行われているのである。p・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・ゆすぶる様々の経験に対して、自分としてそれをどう感じ、理解し、その経験から何を獲て生きぬけて来たか、という諸関係について、本人がどうはっきりそれをつかんでいるか、という点が文学となって再現されるキイ・ポイントである。従って感動が二重になる。・・・ 宮本百合子 「婦人の生活と文学」
出典:青空文庫