・・・近代の歴史の担当者として現れたブルジョアジーは、王権を否定して市民の権利を確立すると共に、ルーテルを先頭に立てて、法王に統率され経済的政治的に専制勢力の柱である天主教の仕組を否定した。そして、市民一人一人の精神の内に在る神としてのキリスト教・・・ 宮本百合子 「人間の結婚」
・・・p.72のルカシュスの言葉〔欄外に〕 ドイツ ルーテル スコットランド ノックス フランス カルヴァンイタリーの乱脈 メディシスの私生子万歳時代への反動として。p.72 宗教改革とギルド=市民階級のもの、・・・ 宮本百合子 「バルザック」
・・・レーニン夫人のクループスカヤも小学校の女教師をしながら、レーニングラードの労働者学校に働いてマルクシストとなった。 弾圧のきびしい地下運動の間で、彼女達はよしんば才能と希望があったにしろ文学活動をやっている余裕はなかった。 例えばチ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・それだのに聖詠経一冊に三ルーブリ半も払う。それはゴーリキイに奇怪な感じを抱かせた。そういう人々の無智から儲ける聖画売の商売、又、珍らしい古代の作品を売りに来る者をちょろまかして儲ける悪辣なやり口もゴーリキイの心を苦しめた。 聖画屋の小僧・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・それで三十カペイキから半ルーブリを稼ぎ、銭は祖母にやる。――この時代の仲のよい稼ぎ仲間とのほこりっぽい、だが多彩な生活の思い出を後年ゴーリキイは長篇小説「三人」のうちにいきいきと描いている。 八歳になると、ゴーリキイの「人々の中」での生・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
一、リュシアン ソレルとは全くちがったリュシアン・ルーヴェン。一八三二年六月五日、六日ラマルク将軍の葬式に際し60フランかせぎたい 一個人間として自信をもちたい)○リュシアンはナンシーにゆく。陰気で保守的な反政府・・・ 宮本百合子 「「緑の騎士」ノート」
・・・ ストラスナーヤの角とトゥウェルスカヤ六十八番とへよって、二ルーブリ! ――よろしい、行きましょう。 ――二ルーブリ! いい? それで。 御者はほとんど面倒くさそうに髭のある口の中で「よろしい、よろしいとつぶやいた。外国女だ。何・・・ 宮本百合子 「モスクワの辻馬車」
・・・一九二八年から見ると倍額になって、一人当り二百三十四ルーブリから二百五十ルーブリである。集団農場にはラジオをただできけるクラブ、托児所、共同食堂等があり、図書室があり、農村婦人の朝夕は人間らしい楽しいものになって来た。 農民、工場に働く・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
・・・ニュウトンといいワシントンといいルーテルという、彼らが大建設の時代は満身犠牲の念に充つ。心霊は神の摂理の真と人道の義と美の愛と宇宙の荘厳とに烈しく動かされて物質的世界を全く超越する。生活が何である! 苦痛が何である! わが心霊は肉の痛苦に感・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」
出典:青空文庫