めんえきチェックポイント【免疫チェックポイント】
免疫系が自己を攻撃しないように、過剰な免疫反応を抑制する機能。 [補説]癌細胞 (がんさいぼう) はこの仕組みを利用して免疫反応を回避している。
めんえきチェックポイントそがいざい【免疫チェックポイント阻害剤】
がん細胞が免疫細胞の攻撃力を抑制するはたらきを阻害し、免疫細胞みずからの攻撃力を再活性する薬剤。免疫細胞にはもともと、ある物質が受容体に結合すると攻撃力が抑制される仕組みがあり、がん細胞はこの仕組みを悪用して、がん細胞自体への攻撃を抑えている。この受容体への結合を阻害する薬剤により、がん細胞の増殖を食い止めようとするもので、ニボルマブやイピリムマブなどがある。
めんえききおく【免疫記憶】
免疫反応において、一度病原体などの侵入や感染を受けて生じた抗体が保持され、二度目以降に同じ抗原に対して強い免疫応答を示すこと。従来、免疫記憶は獲得免疫のみに存在するとされていたが、自然免疫の一部にもエピゲノムの変化を通じて記憶を保持する仕組みがあることが明らかになった。
めんえきせんしょく【免疫染色】
抗体が特定の抗原を認識して反応する特異性を利用し、抗原を可視化する手法の総称。抗体に放射性同位体や蛍光色素を標識として結合させ、抗原抗体反応を調べる方法が知られる。抗体染色。
めんえきグロブリンエー【免疫グロブリンA】
免疫グロブリンの一つ。血液中では2本の軽鎖と2本の重鎖からなるY字型(単量体)、粘膜や母乳中ではこれが2つ結合した二量体の形で存在する。分子量約16万(単量体)。涙・唾液・鼻汁・腸液・乳汁などに多く含まれ、粘膜面での免疫に関与する。IgA(immunoglobulin A)。
めんえきグロブリンエム【免疫グロブリンM】
免疫グロブリンの一つ。2本の重鎖と2本の軽鎖からなるY字型の基本構造が五つ結合した形をとる。分子量約95万。抗原が侵入したとき最初に作られる免疫グロブリンで、抗原の刺激などによってIgGやIgE、IgAにクラススイッチする。IgM(immunoglobulin M)。
めんえきグロブリンジー【免疫グロブリンG】
免疫グロブリンの一つ。分子量約15万。5種類ある免疫グロブリンの中で、血液中に最も多く含まれる。2本の軽鎖と2本の重鎖が結合したY字型の構造をとり、その先端部で多様な抗原と結合し、毒性を中和する。胎盤を通過し、胎児や出生直後の新生児を感染から守る役割を果たす。IgG(immunoglobulin G)。
めんえきグロブリンディー【免疫グロブリンD】
免疫グロブリンの一つ。2本の軽鎖と2本の重鎖が結合したY字型の構造をとる。分子量約18万。免疫グロブリンMとともにB細胞の表面に存在し、抗体の産生を誘導する。血清中にも少量存在する。IgD(immunoglobulin D)。
めんえきけい【免疫系】
免疫応答に関わるさまざまな機構の総称。体内に侵入した病原体などの異物やがん細胞などの異常な細胞を認識し、死滅させることによって、生体を病気から守る役割を果たす。免疫システム。
めんえきシステム【免疫システム】
⇒免疫系