・・・ 二十八の時の女難が私の生涯の終りで、女難と一しょに目を亡くしてしまったのでございますから、それをお話しいたして長物語を切り上げることにいたします。 五 二十八の夏でございました、そのころはやや運が向いて参りまし・・・ 国木田独歩 「女難」
・・・やってる方だって長いのは疲れますからできるだけ労力節約の法則に従って早く切り上げるつもりですから、もう少し辛抱して聴いて下さい。 それで現代の日本の開化は前に述べた一般の開化とどこが違うかと云うのが問題です。もし一言にしてこの問題を決し・・・ 夏目漱石 「現代日本の開化」
・・・ように、十分面白い講演をして帰りたいのは山々であるけれども、しかしあまり大勢お出になったから――と云って、けっしてつまらぬ演説をわざわざしようなどという悪意は毛頭無いのですけれども、まあなるべく短かく切上げる事にして、そうして――まだ後にも・・・ 夏目漱石 「文芸と道徳」
出典:青空文庫