・・・ ウラーアァ 轟く歓呼の声の下で、動き出したぞ!「インターナショナル」の一際高い奏楽といっしょに、先ず先頭の赤旗が広場へ向って静かに繰り出した。 続いて、あっちの門からも! 合流して、十数万のプロレタリアートが前進する足音と・・・ 宮本百合子 「勝利したプロレタリアのメーデー」
・・・大戦後のフランスで過去の文化の崩壊の形として現れたキュービズム、構成派、ダダイズム等は自然の歴史の流れに随って前進してある部分はより建設的な方向へ合流したのであったが、「新感覚派」がわがものとして身につけようとしたその日本らしい影響は、過去・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・文学者は文学者の道を通って、科学者は科学者の道を通って、人間の理性の到達点に合流して世界平和に対する大課題に協力することが出来る。「専門」ということをいいたてて、それぞれの小道の中に引っ込んでいることは、客観的にはその人自身さえも望んでいな・・・ 宮本百合子 「前進的な勢力の結集」
・・・ブルジョア・リアリズムの限界を感じて、しかも民主主義的な人民の文学の発生に対して自分を合流させなかった作家たちが、高見順からはじまって坂口安吾まで、椎名麟三まで、流れ崩れて、漂っています。芸術の分野で多くの要素を占めている小市民的な階層の作・・・ 宮本百合子 「第一回日本アンデパンダン展批評」
・・・同時にプロレタリア化した小市民の前進的な部分は広い幅でプロレタリア解放運動とプロレタリア芸術の動きに合流しました。そして、旧い王権は世界各国でその数をへらしました。 第二次大戦後の世界は、一層深い傷と破滅を経験して、中産階級の没落はもと・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・日本のように民主生活の諸形態がなかった国では、ファシズムのもとでこのような合流は余儀なかった。非合法の党機関紙が自由に読めないために、読者もプロレタリア文化出版物のどこかに彼らの階級的意識を指導し、鼓舞し組織するモメントを発見しようと努力し・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・彼らが日本プロレタリア作家同盟に合流することを予定して、「文戦」の幹部と階級的闘争を行ったからには、はっきり第二「文戦」打倒同盟として自身を組織し、自己批判すべきだと決議されたのである。 第三次の分裂で、「文戦」には前田河広一郎、青野季・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫