おのがきぬぎぬ【己が衣衣】
《掛け合っていた着物を、朝になって男女がそれぞれに着るところから》共寝の朝の別れ。「しののめのほがらほがらと明けゆけば—なるぞ悲しき」〈古今・恋三〉
おのがじし【己がじし】
[副]《「己 (おの) が為 (し) 為 (し) 」の意》各自がめいめいに。それぞれに。「彼等は—勝手な真似をするだろう」〈漱石・草枕〉
おのがちりぢり【己が散り散り】
それぞれがちりぢりになるさま。てんでんばらばら。「秋のもみぢとひとびとは—わかれなば」〈古今・雑体〉
おのがどち【己がどち】
自分たち仲間どうし。「—の心よりおこれる懸想にもあらず」〈源・若菜上〉
おのがよよ【己が世世】
夫婦または恋人が離別して、それぞれが別の生活をすること。「—になりにければ、疎くなりにけり」〈伊勢・二一〉