-
・・・僕等に伝えられ、僕等は今更電気に打たれた様に顫たんやが、その日の午後七時頃、いざと一同川を飛び出すと、生憎諸方から赤い尾を曳いて光弾があがり、花火の様にぱッと弾けたかと思う間ものう、ぱらぱらと速射砲の弾雨を浴びせかけられた。それからていうも・・・
岩野泡鳴
「戦話」
-
・・・砲煙弾雨の中に身命を賭して敵の陣営に突撃するのもたしかに貴い日本魂であるが、○国や△国よりも強い天然の強敵に対して平生から国民一致協力して適当な科学的対策を講ずるのもまた現代にふさわしい大和魂の進化の一相として期待してしかるべきことではない・・・
寺田寅彦
「天災と国防」