・・・につれていちじるしい変化を生じた労働者農民の日常の生活状態、社会的感情などを芸術の内にいきいきと再現し、さらに芸術を通して民衆の階級的自覚を社会主義社会の完成に向って一歩押し進めようとする重大な階級的役割をもった。 若いキネマ製作者たち・・・ 宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
・・・同時に、その評論をめぐって、そこに猟犬のように群がりたかって、わたしを噛みやぶり泥の中へころがすことで、プロレタリア文学運動そのものを泥にまびらす役割をはたした人々の動きかた――政治性も、くっきりと描きだすことができる。それは、かみかかった・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・「社会における作家の役割」「個人」「ヒューマニズム」「民族と文化」「創作上の諸問題と思想の尊厳」「組織の問題」「文化の擁護」の諸課題について討論されたのであった。 第二回の文化擁護国際作家大会は、一九三七年十月、内乱のスペインに開かれた・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
・・・ その代り、諷刺は昔のロシア文学の中に重大な社会的役割を果した。 現代のソヴェト同盟でも、諷刺は新しい立場から研究され、絵画の領域では漫画といっしょに、大いに階級的活動に利用されている。 二 諷刺は・・・ 宮本百合子 「新たなプロレタリア文学」
・・・そのオルグ的役割は僕というプロレタリア作家によってされた。この小説はその作家の手紙からなっているのである。「樹のない村」において、主題は「幼き合唱」よりはるかに積極的である。手紙の筆者である僕というプロレタリア作家は、闘争の激化した現段・・・ 宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
・・・日本に於てはロマンチシズムが今日どういう役割を果しているか、ということにさえ独特な相貌が現れているのである。 私の任務は、この興味ふかく又重大な今日の文学を語ることである。五十枚ほどの枚数の中に、果してよく描きつくせるであろうか。私の文・・・ 宮本百合子 「意味深き今日の日本文学の相貌を」
・・・これ等数人が各々ぬきさしならぬ同等の役割で村の反革命分子と闘い、集団化を完成に導いてゆく。 カターエフの作品とくらべて特に面白いのは、一方がいかにもインテリゲンチアの作家によってかかれた戯曲らしく整っていて、同時に農民の描写が観念的なの・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・妻として苦境に堪えて行く顔は充実して表現されるが、もっと内部的に複雑な葛藤を物語る際になると、顔は非常に消極的な役割しか演じなくなる。「裸の町」についていえば夫の留守債鬼に囲まれながら孤城のような店に立てこもっている妻の顔つきは全く内部の感・・・ 宮本百合子 「映画の恋愛」
・・・その点大きい役割を果しつつあるが一方、段々、所謂文学趣味に堕す傾向があった。 文学研究会へ出て来る青年たちは、むろん職場の連中だ。彼等は職場にいるときは、生産経済計画について熱心に討論し、職場内の反動分子と争闘しながら、いよいよ七時間の・・・ 宮本百合子 「「鎌と鎚」工場の文学研究会」
・・・それが転じて劇におけるそれぞれの役割を意味し、従って劇中の人物をさす言葉になる。dramatis personae がそれである。しかるにこの用法は劇を離れて現実の生活にも通用する。人間生活におけるそれぞれの役割がペルソナである。我れ、汝、・・・ 和辻哲郎 「面とペルソナ」
出典:青空文庫