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・・・ 多恨の詩人肌から亡朝の末路に薤露の悲歌を手向けたろうが、ツァールの悲惨な運命を哀哭するには余りに深くロマーノフの罪悪史を知り過ぎていた。が、同時に入露以前から二、三の露国革命党員とも交際して渠らの苦辛や心事に相応の理解を持っていても、双手・・・
内田魯庵
「二葉亭追録」
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・・・万葉の芸術には、高貴な方の作品もあり、奴隷的な防人の悲歌もある。万葉の時代は、日本の民族形成の過程であり、奴隷経済の時代であり物々交換時代であり、現実に今日私たちの生きる社会の機構とくらぶべくもない。万葉の精神を唱える作家自らがそれを抽象的・・・
宮本百合子
「文学における今日の日本的なるもの」