共学 期待はずれた今度の内閣改造の中で僅かに生彩を保つのは安倍能成氏の文部大臣であるといわれる。朽木の屋台にたった一本、いくらかは精のある材木が加えられたところで、その大屋の傾くことを支え切れるもので・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・政府や文部委員会が、こんどの議会で現実に解決する能力のないこんにちの教育問題から逃げる楯として、国宝再認識問題を過度に利用しないようにわれわれは監視しなければならない。 日本の「国宝」はあわれな歴史をもっている。明治維新の混沌期にもしフ・・・ 宮本百合子 「国宝」
・・・新しい文部大臣もそのことは考えられるのだろう。〔一九四〇年六月―七月〕 宮本百合子 「女性週評」
佐藤春夫氏の提唱によって、文芸懇話会の解散後「新日本文化の会」が出来た。同時に文部省が五十万円の補助金を出して、文部・外務・民間思想文化連合の統一体として財団法人「中央文化連盟」が結成された。先頃、帝国芸術院が出来て、一般・・・ 宮本百合子 「矛盾の一形態としての諸文化組織」
・・・例えば今日常に保守的或は反動的な役割を持っている文部省でさえも創設されたばかりには、本当に日本の人民の間に文字を普及させ、常識を広め、輿論の担い手となり得る人民の文化を導き出そうという熱心な意図をもっていて、先ず『言海』という字引を出したり・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫