暖簾に腕押し
少しも手ごたえや張り合いがないことのたとえ。
暖簾を下ろす
その日の営業を終える。また、商売をやめる。「時流にのれず、老舗が—・す」
暖簾を分ける
商家で、長年よく勤めた店員などに新たに店を出させ、同じ屋号を名のらせる。そのとき、資金援助をしたり、得意先を分けたりする。
のれんぐち【暖簾口】
歌舞伎の大道具で、民家などの室内の正面奥に設けられた、暖簾をかけてある出入り口。
のれんし【暖簾師】
悪い品をごまかして売りつける商人。のうれんし。「—めいたるあきない、せさせぬが定なり」〈鴎外・うたかたの記〉
のれんだい【暖簾代】
1 商家で、長年勤めた奉公人が独立するときに出してやる資本金。 2 企業のもつブランド力、製造販売などの知識技術、顧客との関係、従業員の能力など、無形の資産。企業買収の場合、買収価格から買収される企業の純資産を引いた差額が暖簾代となる。プレミアム。→営業権
のれんな【暖簾名】
1 暖簾に示す商家の屋号。 2 娼家で売れっ子の娼妓につける、店の名をとった呼び名。辰巳屋のお辰の類。
のれんわけ【暖簾分け】
[名](スル)商家で、暖簾を分けること。「番頭格の店員に—する」→暖簾を分ける
のれんがい【暖簾街】
百貨店で、老舗 (しにせ) や有名店のテナントを集めた食品売り場。また、飲食店や土産物店などの並ぶ街。 [補説]東京都渋谷区の東急百貨店が、昭和26年(1951)に有名食品店を集め「東横のれん街」と称したのが最初。