・・・ 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると、浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが、親愛なる旧友のいう事だから、僕も素直に賛成してさ。真っ昼間六区へ出かけたんだ。――」「すると活動写真の中にでもい合・・・ 芥川竜之介 「一夕話」
・・・図は次の月曜までに清書して出すことにした。ぼくはあの図を出して先生に直してもらったら次の日曜に高橋君を頼んで僕のうちの近所のをすっかりこしらえてしまうんだ。僕のうちの近くなら洪積と沖積があるきりだしずっと簡単だ。それでも肥料の入れようや・・・ 宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
・・・ 私は又ついて行きたいと思ったのでしたが次の日は月曜ですから仕方なかったのです。 そしてその年は冬になりました。 次の春理助は北海道の牧場へ行ってしまいました。そして見るとあすこのきのこはほかに誰かに理助が教えて行ったかも知れま・・・ 宮沢賢治 「谷」
・・・四月 十四日 月曜 夜、メトロポリタン オペラに行く。ファラーとカルーソーのカルメン 夜十二時過外を歩く。四月 十六日 つもった雪。夜第三木曜会。同時に Earl Hall に於て尾崎行雄の演説がある。其をききに行・・・ 宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
・・・ しかし戦争にならなければそちらへ行けるでしょうと約束した月曜には、独軍が宣戦の布告もせずに武力に訴えながらベルギーを通過してフランスに侵入した。 パリの母は再び娘たちに書いた。「お互いにしばらくは、通信もできないかも知れません・・・ 宮本百合子 「キュリー夫人」
・・・ 九月三日 月曜 激しき雷雨あり、まるでまっしろに雨がふる。雨を冒しA俥で福井にゆき、汽車の交渉と、食糧を持って来る。汽車東海道は箱根附近の線路破かいされた為金沢から信越線にゆき、大宮頃迄だろうと云う。鎌倉被害甚しかろうと云うの・・・ 宮本百合子 「大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」
・・・それ故、日曜日、次の月曜に入用なものは勿論、買いものは出来る丈この日に纏め、下町の、それぞれで名を売っているよい店で買おうとするのです。 経済思想に富み、高い常識を持っている主婦は、決して馬鹿な買物はすまいと心掛けています。只廉いもの買・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
・・・ 多分月曜か火曜であったと思うが午後から小雨がして、学校から帰って来た頃は気が重くて仕様がなかった。 それに、昨夜の予定がすっかり狂って、あんな事のために大切な一日分の仕事がずって来たと云う事も不快で、今夜は、どんなにせわしなくても・・・ 宮本百合子 「二十三番地」
出典:青空文庫