たなかしょうすけ【田中勝介】
江戸初期の貿易商。京都の人。慶長15年(1610)日本へ漂着した前ルソン総督ドン=ロドリゴのメキシコへの出発に同行、翌年帰国。太平洋を横断した最初の日本人。生没年未詳。名は「勝助」とも。
たなかしょうぞう【田中正造】
[1841〜1913]政治家。栃木の生まれ。明治23年(1890)衆議院議員、以後足尾銅山鉱毒問題に取り組み、同34年には議員を辞して天皇に直訴。次いで谷中村の遊水池化に反対。晩年は治水事業に尽力。→足尾銅山鉱毒事件
たなかしょうへい【田中正平】
[1862〜1945]物理学者・音楽理論家。兵庫の生まれ。ドイツでヘルムホルツに師事、音階の純正調理論を研究し、純正調オルガンを発明。邦楽にも理論的解明を与えた。著「純正調の研究(独文)」「日本和声の基礎」。
たなかちかお【田中千禾夫】
[1905〜1995]劇作家・演出家。長崎の生まれ。芸術院会員。「おふくろ」で注目され、文学座創立に参加。戦後、俳優座に入る。「教育」で読売文学賞、「マリアの首」で岸田演劇賞。他の作品に「雲の涯 (はたて) 」「千鳥」など。
たなかとつげん【田中訥言】
[1767〜1823]江戸後期の画家。尾張の人。京都に出て土佐派を学んだが、のち大和絵の古典を研究し、復古大和絵派の祖となった。
たなかひさしげ【田中久重】
[1799〜1881]幕末・明治初期の技術者。久留米の人。からくり人形を製作してからくり儀右衛門とよばれた。万年時計や日本最初の機関車模型を製作。明治8年(1875)日本最初の民間機械工場を作り、今日の東芝の基礎を築いた。
たなかひでみつ【田中英光】
[1913〜1949]小説家。東京の生まれ。太宰治に師事し、ボート選手としてオリンピックに出場した体験をもとに「オリンポスの果実」を発表。太宰の墓前で自殺。ほかに小説「地下室から」「野狐 (やこ) 」など。
たなかふじまろ【田中不二麿】
[1845〜1909]政治家。愛知の生まれ。岩倉使節団に随行して欧米の教育制度を調査。帰国後、文部大輔として学制の改革を企図した教育令を制定。のち司法卿・枢密顧問官・法相などを歴任。
たなかみちたろう【田中美知太郎】
[1902〜1985]哲学者。新潟の生まれ。京大教授。古代ギリシャ哲学、特にプラトン研究に業績をあげた。文化勲章受章。著「ロゴスとイデア」「プラトン」など。
たなかメモランダム【田中メモランダム】
昭和2年(1927)の東方会議の決定に基づき、田中義一首相が天皇に上奏したとされる文書。同4年に中国側が暴露し、その内容が以後の日本の中国侵略と一致していたために日本の侵略性を証明する重要資料とされたが、現在はその信憑性は疑われている。