・・・「道標」をよんだ職場の人々は、ソ同盟にいるのも同じく働く人民であり、人民の幸福のための政治と組合と、学校、家庭をもっていることを知って、ソ同盟への親しみと理解とをより深めている。これらのことは、民主革命へのこんにちの途上で、わかりにくい内容・・・ 宮本百合子 「事実にたって」
「道標」は、「伸子」から出発している「二つの庭」の続篇として、一九四七年の秋から『展望』誌上にかきはじめた。第一部、第二部、第三部とずっと『展望』にのせつづけて一九五〇年十月二十五日に、ひとまず三つの部分をおわった。 一・・・ 宮本百合子 「「道標」を書き終えて」
・・・に続く「道標」を執筆している。この年前半期は大体一ヵ月を三分して三つの仕事をした。創作、講演、集会への出席。そして〔四〕月選挙のときは岡山へ行った。これは私の健康にとって全く無理であった。七月に過労のため血圧が高くなりまた視力があやしく・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・、「播州平野」「風知草」などにこの作家にとって独特であった解放のよろこびと戦争への抗議を描き出した。「伸子」の続篇として、一九二七年以後の二十年間の社会思想史の素描ともなる「二つの庭」、「道標」第一部、第二部がかかれ、目下第三部が執筆されて・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・「播州平野」「風知草」の基調にあるものが前衛党とその活動家の新しい情勢のもとにおける一つの姿を描いていることは、いくらかでも文学を理解する人ならば否定し得ない点です。 また「二つの庭」「道標」は古い小市民の有閑的な日常茶飯事を描いてい・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・を書き、又「過渡時代の道標」を書いた筆者自身が、かかる急速な左翼文化・文芸運動の波の裡にあって、強固な一階級人として発育して行った過程をも亦窺わせるのである。それやこれやを合わせ考えれば、この評論集はその長所においても欠点においても、今日の・・・ 宮本百合子 「『文芸評論』出版について」
「道標」のため○猿の毛皮 矢はず形についだ茶色の猿の毛皮 余りおもくなくて丈夫な○ガローシをぬぐ つぎに外套をぬぎ すき間風をふせぐためにくびのまわりにまいているネッカチーフをとる。そうするとどんな女も・・・ 宮本百合子 「無題(十三)」
出典:青空文庫