・・・ 明治一五年一一月編者識 徳育如何 青酸は毒のもっとも劇しきものにして、舌に触れば、即時に斃る。その間に時なし。モルヒネ、砒石は少しく寛にして、死にいたるまで少しく時間あり。大黄の下剤の如きは、二、三時間以上を経・・・ 福沢諭吉 「徳育如何」
・・・ジャーナリズムの一九四九年型花形には青酸っぽい現象が少なからずあるのだから。 労働組合のすべての人にきいてみたいと思う。一九四九年度の公安条例。九原則。人員整理、失業とのたたかい、越年資金闘争のすべては「その大部分がいかにもあいまいで、・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・そのために毒薬さえすらりとのまされた。青酸加里を毒物と知っている人民も、政府予算の八五%は働く人民の懐からまき上げるという、間接殺人は頂いて、更に二百万人の馘首をしようとしている保守政府を頂いてもよさそうな輿論を示すものさえある。中毒する大・・・ 宮本百合子 「目をあいて見る」
出典:青空文庫