・・・私には、なんだか本の二三十ペエジ目あたりを読んでいるような、at home な、あたたかい気がして、私の姿勢をわすれて話をした。 あくる日マツ子は、私のうちの郵便箱に、四つに畳んだ西洋紙を投げこんでいた。眠れず、私はその朝、家人よりも早・・・ 太宰治 「めくら草紙」
・・・しかし特殊の題目について重なる学術国の重なる研究者の研究の結果を up to date に調べ上げて、その題目に対する既得知識の終点を究める事は可能である。これを究めてどこまでが分っているかという境界線を究め、しかる後その境界線以外に一歩を・・・ 寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
Prof. Takematu Okada was born on August 17, 1874, In Husa of Tiba Prefecture, a sunny and peaceful riverside to・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・rmer Director of the Observatory, and Prof.Yji Wada, later Director of Zinsen Observatory in Korea. At that time the gre・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・まじめであると同時に at home といったような心持ちであるが、しかしそこには自分の頭にある「日曜日の丸善」というものが生ずる幻影はなくてむしろ常住な職業的の興味があるばかりである。 英米の新刊書を並べた露店式の台が二つ並んでいる。・・・ 寺田寅彦 「丸善と三越」
・・・You must read Latin at least. *2といわれた。しかしまた先生は時に手ずから煙草をすすめられ、私は煙草を吸いませぬと申上げると、先生は Philosoph muss rauchen. *3とからかわれた。 当・・・ 西田幾多郎 「明治二十四、五年頃の東京文科大学選科」
・・・“Is there any room at your head, Willie?Or any room at your feet?Or any room at your side, Willie,Wherein that・・・ 正岡子規 「死後」
・・・一宮家から吉田さんの at home day に行き、コスモポリタンに行く。小崎氏が来たので、芹野さんとAと四人で Whittier に行き和田に会い、三人で、メゾンに行き、小崎と和田をのこす、青木のことを小崎からききたいだろうと思って。か・・・ 宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
・・・の作者、ロード・ダンサニー其他、H. G. Wells, John Galsworthy, Kipling, Anatole France, Maurice Maeterlinck. 等と云う作者は、皆、英国、仏蘭西、白耳義の人々である。・・・ 宮本百合子 「最近悦ばれているものから」
・・・「Nothing at all!」物を言い掛けた己に対してよりは、新聞に対して不平なような調子で言い放ったが、暫くして言い足した。「また椰子の殻に爆弾を詰めたのが二つ三つあったそうですよ。」「革命党ですね。」 己は大理石の卓の上にあ・・・ 森鴎外 「沈黙の塔」
出典:青空文庫