・・・ 気がついて見ると、僕は、書斎のロッキング・チェアに腰をかけて St. John Ervine の The Critics と云う脚本を読みながら、昼寝をしていたのである。船だと思ったのは、大方椅子の揺れるせいであろう。 角顋は、久・・・ 芥川竜之介 「MENSURA ZOILI」
・・・1st とちがって何処かに艶があってよい。袷を綿入に着かえて重くるしいのに裾が開きたがって仕方がない。縁側へ日が強くさして何だか逆上する。鼻の工合が変だが、昨日の写生で風でも引きやしなかったかしらん。東の間では御ばあさんの声で菊尾さんを呼ん・・・ 寺田寅彦 「高知がえり」
・・・は steak だろうというのがあった。日本人は子音の重なるのは不得意だから st がsになることは可能である。漆喰が stucco と兄弟だとすると、この説にも一顧の価値があるかもしれない。ついでに (Skt.)jval は「燃える」であ・・・ 寺田寅彦 「言葉の不思議」
出典:青空文庫