出典:青空文庫
・・・まことに詩人シラーのいいしがごとく、天然には永久の希望あり、壊敗はこれをただ人のあいだにおいてのみ見るのであります。 まず溝を穿ちて水を注ぎ、ヒースと称する荒野の植物を駆逐し、これに代うるに馬鈴薯ならびに牧草をもってするのであります。こ・・・ 内村鑑三 「デンマルク国の話」
・・・それからドレスデンやらエナへ行って後、ワイマールに二時間ばかりとどまって、ゲーテとシラーの家を見ました。ゲーテが死ぬ前に庭の土を取り寄せて皿へ入れて分析しようとしていたら、急に悪くなったのだそうで、書斎の窓の下の高い書架の上に土を入れた皿が・・・ 寺田寅彦 「先生への通信」
・・・ ドイツでは、大層盛大なワグナア祭典が行われていたり、ゲーテやシラーについて政府としての評価が語られたりしているようだ。 文化に対する理解がそこにあるとされているが、そういう国では現在青年群に与える読みものとしてそういう古典を整頓し・・・ 宮本百合子 「明日の実力の為に」