出典:青空文庫
・・・ ピーター大帝は曲馬場横の妙な細長い広場で永遠にはね上る馬を御しつづけ、十二月二十五日通りの野菜食堂では、アルミニュームの食器の代りに、白い金ぶちの瀬戸の器をつかっている。ドイツ語の小形の詩の本をよみながら黒い装いをした一人の婆さん・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ ○絶間ない我ままと小言 「さあ、一寸これをよんでおくれ、まあ何て下らないんだろう、すぐピーターに御礼を云ってかえして下さい、――おや、お前さん、まだ着かえがすまないの、仕様のない人だこと、いつでも私はまたされる うんざりです・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・それからこっちで名を知られているのは、ロンドンに逃げて行っていて、もう七十近くになっているPeter Alexejewitsch Kropotkin で、その外には亜米利加に Tucker のような人物があるだけでしょう。」「なかなか精・・・ 森鴎外 「食堂」