出典:青空文庫
・・・ 南原東大総長がワシントンの会議で、「民族とその文化の独立のためには、世界平和が確立されなければならず、そのために役立つ平和な日本の政治的独立が必要である」といったことは、日本人の真情を告げるものであるとして内外からうけとられている。・・・ 宮本百合子 「しようがない、だろうか?」
・・・日本にしかないソーユが構成した生理的望郷がある。ワシントン市在留駐米日本大使の知らぬこれは強烈な感覚的思慕だ。北緯四十*度から**度の間に弦に張られた島 日本が、敏感に西からの風、東からの風に震え反応しつつ、猶断然ユニークなソーユ○・・・ 宮本百合子 「一九二九年一月――二月」
・・・そういう尾崎自身はワシントンで議会訪問した折、国会図書館長のラップ氏から、同図書館に陳列されている自作の和歌をしたためた色紙を示されて、ニンマリ満足した上眼づかいの写真をうつされている。 帝政ロシアの貴族たちはフランス語で話した。中国の・・・ 宮本百合子 「長寿恥あり」
・・・ 一九一八年十二月二日〔東京市本郷区駒込林町二一 中條葭江宛 ワシントンより〕 紐育から来て見ると、ワシントンの静かな事は、まるで音のない国のようでございます。紐育では見たくても見られない大きな古木も並木もあり、人通りも、人・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・ニュウトンといいワシントンといいルーテルという、彼らが大建設の時代は満身犠牲の念に充つ。心霊は神の摂理の真と人道の義と美の愛と宇宙の荘厳とに烈しく動かされて物質的世界を全く超越する。生活が何である! 苦痛が何である! わが心霊は肉の痛苦に感・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」