出典:青空文庫
・・・のきりょうがわるければ店のかんばんにもならずただくうてねて金が入るそれでは事がめんどうとひげのおじさんは一人ずみ御念の入ったばり方と びっくりおどろくだるまさん月に一度は大師さん参るたびごと買うて来るだ・・・ 宮本百合子 「つぼみ」
・・・智者大師の滅後に、隋の煬帝が立てたという寺である。 寺でも主簿のご参詣だというので、おろそかにはしない。道翹という僧が出迎えて、閭を客間に案内した。さて茶菓の饗応が済むと、閭が問うた。「当寺に豊干という僧がおられましたか」 道翹が答・・・ 森鴎外 「寒山拾得」
・・・諺に大師は弘法に奪われたとか云うようなわけで、ファウストと云えばギョオテのファウストとなっているから、ことわるまでもないと考えた。そしてそのままにして置いた。 さて太田さんの事を言ったから、ついでに話してしまうが、太田さんは印行本の扉の・・・ 森鴎外 「訳本ファウストについて」