出典:青空文庫
先達て「リビヤ白騎隊」というイタリー映画の試写を観る機会を得た。原作はフランスのジョセフ・ペイレのゴンクール受賞作品だそうで、ファッショ紀元十五年度のムッソリーニ賞杯獲得映画である。筋は単純なものである。クリスチアーナとい・・・ 宮本百合子 「イタリー芸術に在る一つの問題」
・・・という作品があった。ムッソリーニが、ヒトラーとの黙契によって北アフリカへ侵略を開始する前ごろの作品で、いまこまかなストーリイは思い出せないけれども、当時イタリーの人民生活を圧していた社会不安、生活の不安から、北アフリカへの軍事行動へ「脱出」・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
・・・女詩人深尾須磨子はイタリーへ行って、ムッソリーニとファシズムの讚歌を歌った。私は目白の家で殆ど毎日巣鴨へ面会にゆきながら活ぱつに執筆した。表現の許される限りで、戦争が生活を破壊して、小学校の上級生までが勤労動員させられはじめた日本の現実を描・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・イタリーをムッソリーニのファシズムの政権が支配してから、私ども日本へもレオナルド・ダ・ヴィンチ、ダンテなどをイタリー文化の華としてたくさんの金をかけ、大規模な展覧会まで組織して紹介されました。ファシズムのイタリーが、どうしてレオナルド・ダ・・・・ 宮本百合子 「婦人の創造力」
・・・を集めたことがあることやムッソリーニは婦人に出版権を与えていないこととかを話した。私は自分の本を贈り、短くそのときの自分の心持を話した。 モスクワへ帰ってから、あるところで或る知人に会ったら、その人は一つの書類を私に見せた。それは「哀れ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・ ゴーリキイは、ムッソリーニは婦人に出版権を与えていない。婦人の作家たちはイタリーで本を出す時、夫或いは父親、その他の法律上の親権者に許可を求めてやっと本を出すということを説明し、「かの女らは美しいイタリーの空の下で、そういう生活をして・・・ 宮本百合子 「私の会ったゴーリキイ」