きき‐す・てる【聞(き)捨てる】
[動タ下一][文]ききす・つ[タ下二]聞いたことを意識的に心にとめないようにする。聞き流す。「妻の言葉を—・てて、三吉は出て行った」〈藤村・家〉
きき‐すま・す【聞(き)澄ます】
[動サ五(四)]心を落ち着けてよく聞く。耳をすまして聞く。「目を閉(つぶ)って、足許(あしもと)の小石を揺(ゆす)る急流の響を—・していると」〈荷風・ふらんす物語〉
きき‐すま・す【聞き済ます】
[動サ四]すっかり聞き取る。「将軍これを—・してげれば」〈太平記・一七〉
きき‐ず・む【聞(き)済む】
[動マ五(四)]《「ききすむ」とも》聞きとどける。承諾する。「外に望みは何もない、どうか—・んで下さい」〈円朝・怪談牡丹灯籠〉
聞(き)き捨(ず)てなら◦ない
黙って聞き流すわけにはいかない。「その話は—◦ない」
きき‐ずみ【聞(き)済み】
聞きとどけること。承諾すること。「先刻御話を申した様に御—を願いたい」〈漱石・虞美人草〉
鬼気(きき)迫(せま)・る
恐ろしく不気味な気配でいっぱいになる。「—・る演技」
きき‐そ・う【聞き添ふ】
[動ハ下二]聞いた上にさらに聞く。「めづらしき事どもを—・ふるかなと、人知れず思ひ知りて」〈源・関屋〉
きき‐そこな・う【聞(き)損なう】
[動ワ五(ハ四)] 1 聞く機会を逃す。「評判の名講義を—・う」 2 聞きまちがえる。聞き誤る。「声が低かったので—・う」
きき‐そび・れる【聞きそびれる】
[動ラ下一][文]ききそび・る[ラ下二]聞く機会を逃して、聞かないままになる。「来週の予定を—・れる」