こい‐あま・る【恋ひ余る】
[動ラ四]恋心が抑えきれないで外に表れる。「隠沼(こもりぬ)の下ゆ—・り白波のいちしろく出でぬ人の知るべく」〈万・三〇二三〉
こい‐し・ぬ【恋ひ死ぬ】
[動ナ変]恋しさのあまりに死ぬ。「—・なば誰(た)が名は立たじ世の中の常なきものといひはなすとも」〈古今・恋二〉
こい‐の・む【乞ひ祈む】
[動マ四]神仏に願い祈る。祈願する。「天地(あめつち)の神祇(かみ)を—・み」〈万・四四三〉
こい‐ぶるい【恋ひ震ひ】
恋情の高ぶりを抑えかねて、身震いすること。「見なれぬ揚屋の大騒ぎ、—してみすぼらし」〈浄・寿の門松〉
こい‐むこ【乞ひ婿】
婿に来てほしいと望むこと。また、特に望んで迎えた婿。「人のほめ草なびき、歴々の—にも願ひしに」〈浮・永代蔵・四〉
こい‐め【乞ひ目】
双六(すごろく)などで、出てほしいと願う賽(さい)の目。「双六の盤をこしらへ、二六、五三(ぐさん)と—をうつ内にも」〈浮・一代男・四〉
こい‐も・う【恋ひ思ふ】
[動ハ四]恋しく思う。恋い慕う。「玉葛(たまかづら)花のみ咲きて成らざるは誰が恋ならめ我(あ)は—・ふを」〈万・一〇二〉
こい‐や・む【恋ひ止む】
[動マ四]恋の気持ちがなくなる。「ぬばたまの夢(いめ)にはもとな相見れど直(ただ)にあらねば—・まずけり」〈万・三九八〇〉
こい‐わた・る【恋ひ渡る】
[動ラ四]長い年月のあいだ、恋い慕いつづける。「うつせみの人目を繁み石橋の間近き君に—・るかも」〈万・五九七〉
こい‐わ・ぶ【恋ひ侘ぶ】
[動バ上二]恋しさのあまり思い悩む。「—・びてなく音にまがふ浦波は思ふかたより風や吹くらむ」〈源・須磨〉