いる‐さ【入るさ】
《「さ」は接尾語》月などのはいる時、または、はいる方角。いりがた。多くは歌枕「いるさの山」にかけて用いる。「夕月夜—の山の木隠れにほのかにも鳴くほととぎすかな」〈千載・夏〉
いわせ‐の‐もり【岩瀬の森】
奈良県生駒郡斑鳩(いかるが)町竜田(たつた)付近にあった森。紅葉・ホトトギスの名所とされた。[歌枕]「神奈備の—の呼子鳥いたくな鳴きそ我(あ)が恋増さる」〈万・一四一九〉
い‐や【弥】
[副]《程度がはなはだしいさまを表す副詞「や」に接頭語「い」の付いたもの》 1 いよいよ。ますます。「明治の御代も—栄えて」〈独歩・あの時分〉 「去年(こぞ)見てし秋の月夜(つくよ)は渡れども相...
イリアス【(ギリシャ)Ilias】
《「イーリアス」とも》古代ギリシャの長編英雄叙事詩。ホメロス作と伝えられる。「イリオン(トロイアの別名)の歌」の意。前8世紀ごろの成立。スパルタの美女ヘレネをめぐる、トロイア軍とギリシャ軍との1...
いもせ‐どり【妹背鳥】
1 セキレイの別名。 2 ホトトギスをいう女房詞。
うい‐だち【初立ち】
1 幼児や鳥のひなが、初めて歩いたり飛んだりすること。「夏ばかり—すなるほととぎす巣には帰らぬ年はあらじな」〈宇津保・祭の使〉 2 久しぶりに外出すること。「内裏などにもあまり久しう参り侍らねば...
いぬはりこ【狗張子】
仮名草子。7巻。浅井了意著。元禄5年(1692)刊。中国の小説「続玄怪録」「博異志」などを題材にした怪奇説話など45編を収録。「御伽婢子(おとぎぼうこ)」の続編。
うい‐だ・つ【初立つ】
[動タ四] 1 ひなが巣立つ。「郭公(ほととぎす)—・つ山をさと知らば木の間は行きて聞くべきものを」〈曽丹集〉 2 霞などが立ちはじめる。「いつしかも—・ちにける霞かなまだいとけなき春の初めに」...
うづき‐どり【卯月鳥】
ホトトギスの別名。
うち‐た・える【打(ち)絶える】
[動ア下一][文]うちた・ゆ[ヤ下二]交際や文通などがすっかり絶える。ぷっつりとぎれる。「丸で田口の家と—・えた訳ではなかったので」〈漱石・彼岸過迄〉