言(い)えば得(え)に
《「に」は打消しの助動詞「ず」の古い連用形》口に出して言おうとすれば、うまく言えないで。「—言はねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな」〈伊勢・三四〉
犬(いぬ)も歩(ある)けば棒(ぼう)に当(あ)たる
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。 2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
うたた【転】
[副] 1 ある状態が、どんどん進行してはなはだしくなるさま。いよいよ。ますます。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう。「—同情の念に堪えない」 2 (「うたたあり」の...
かく【斯く】
[副] 1 話し手が身近なこととして事態をとらえていう。このように。こう。「この家のあるじは—いう私だ」 2 前文の内容をさして、あるいは具体的な内容を省略していう。このように。こう。「—も盛大...
きっ‐そう【吃相】
表情。顔色。顔つき。「—かえて立上らんとすれば」〈露伴・寝耳鉄砲〉
くす・し【奇し】
[形シク] 1 神秘的である。「聞きしごとまこと尊く—・しくも神さびをるかこれの水島」〈万・二四五〉 2 宗教上の禁忌などを固く守るさま。神妙である。「物忌(ものい)みし、—・しく忌むやつは、命...
さいさい・し【騒騒し】
[形シク]さわさわと音を立てるさま。「光も無く黒きかいねりの、—・しく張りたる一かさね」〈源・初音〉 [補説]歴史的仮名遣いは、「さいさい(騒騒)」の派生語とみて、「さゐさゐし」とするが、新撰字...
しょ‐い【所為】
1 しわざ。振る舞い。「自分の—に対しては…徳義上の責任を負うのが当然だとすれば」〈漱石・それから〉 2 そうなった原因・理由。せい。「暴政は必ずしも暴君暴吏の—のみに非ず」〈福沢・学問のすゝめ〉
そう‐りつ【相律】
二つ以上の相が共存して平衡している不均一系物質における自由度を定める熱力学的法則。状態変数すなわち自由度をf、相の数をp、独立成分の数をnとすれば、f=n+2−pで示される。
そえ‐に
[接]《「そゆゑ(其故)に」の音変化か》それゆえに。「—とてとすればかかりかくすればあな言ひ知らずあふさきるさに」〈古今・雑体〉