まさな‐ごと【正無事】
たわいもないこと。たわむれごと。冗談事。「ただ人にておはしましし時、—せさせ給ひしを」〈徒然・一七六〉
御髪(みぐし)下(お)ろ・す
貴人が髪をそり落として仏門に入る。「花山寺におはしましつきて、—・させ給ひてのちにぞ」〈大鏡・花山院〉
みそか【密か】
[形動ナリ]人に知られないようにこっそりするさま。ひそか。「人にも知らさせ給はで、—に花山寺におはしまして」〈大鏡・花山院〉
目(め)は空(そら)
そのものは目に入らずに、他のものに気をとられている状態をいう。「御硯の墨すれと仰せらるるに、—にて、ただおはしますを」〈枕・二三〉
やく‐おん【約音】
連続する2音節が、1音節に縮約する現象。「あらいそ(荒磯)」が「ありそ」となるように、前の音節の母音が脱落するもの、「おほまします」が「おはします」となるように、前の音節の母音と後の音節の子音と...
やしない‐ぎみ【養ひ君】
養育する貴人の子。また、乳母(うば)が自分の養育した子をよぶ称。「—の、比叡の山に児(ちご)にておはしますが、ただ今もや鼻ひ給はんと思へば」〈徒然・四七〉
やら
[感]感動したり驚いたりしたときに発する語。あら。「—、わごりょは聞こえぬ事を言はします」〈虎清狂・文荷〉
ゆめ‐に【夢に】
[副](あとに打消しの語を伴って)少しも。まったく。「—乱れたるところおはしまさざめれば」〈源・少女〉
ゆゆし・い【由由しい/忌忌しい】
[形][文]ゆゆ・し[シク]《「ゆ」は神聖の意の「斎(ゆ)」と同語源》 1 程度がはなはだしい。また、重大である。容易ならない。「—・い事態」 2 神聖で恐れ多い。慎むべきである。「言はまくも—...
ゆる【緩】
[形動ナリ] 1 締め方がきつくないさま。ゆるいさま。「(髪ヲ)いと—にひき結はせ給ひて」〈栄花・楚王の夢〉 2 ゆっくりとしたさま。「花誘ふ風—に吹きける夕暮れに」〈宇津保・国譲下〉 3 寛大...