まつのは‐の【松の葉の】
[枕]松の葉が常緑であるところから、「いつとも分かぬ」「散りうせず」「久し」などにかかる。「—いつとも分かぬ恋もするかな」〈古今・恋一〉
まつ‐の‐ま【松の間】
江戸城中の外様(とざま)大名の詰め所。大廊下とのしきりの襖(ふすま)に、狩野探幽の筆による松の絵が描かれていた。
まつのまだら‐かみきり【松の斑天牛】
カミキリムシ科の昆虫。体長3センチくらい。前翅(まえばね)に黒と白の斑がある。成虫は5〜9月に出現し、松の枯れ枝に産卵。幼虫は松の材部を食害する。また成虫はマツノザイセンチュウを媒介。本州以南に分布。
まつのみどり【松の緑】
長唄。杵屋六翁(4世六三郎)が、娘の改名披露の祝賀曲として作曲。天保11〜安政2年(1840〜1855)の成立。素踊りとしても用いられる。
うた沢。仮名垣魯文作詞、哥沢土佐太夫作曲。芝派だけ...
まつのやひっき【松屋筆記】
江戸後期の随筆。120巻。小山田与清(おやまだともきよ)著。明治41年(1908)刊。文化末年(1818)から弘化2年(1845)ころまでの約30年間にわたり、古今の書物の記事を抜き書きし、考証...
まつ‐の‐ゆき【松の雪】
1 松に降り積もった雪。 2 襲(かさね)の色目の名。表は白、裏は青。柳襲(やなぎがさね)。
まつ‐の‐よわい【松の齢】
《松の生命の長い年数の意から》長く久しい年齢。長寿。「住む人もすぎゆく我も住吉の—と祈らざらめや」〈経信集〉
まつ‐のり【松海苔】
ムカデノリ科の紅藻。満潮線近くの岩上に生え、高さ約5センチ。基部は円柱状で先のほうは平たく、二またによく分枝する。本州中部以南に分布。食用。《季 春》
まつ‐の‐ろうか【松之廊下】
江戸城内の、大広間から白書院に通じる「松之大廊下(まつのおおろうか)」のこと。L字形をしており、全長は約50メートル。→松之廊下刃傷事件
まつのろうか‐にんじょうじけん【松之廊下刃傷事件】
元禄14年(1701)3月14日、京都から下向した勅使の接待役を命じられていた播磨国(兵庫県)赤穂の藩主、浅野内匠頭(たくみのかみ)長矩が江戸城松之廊下で高家吉良上野介(こうずけのすけ)義央に斬...