いやしくしく‐に【弥頻く頻くに】
[副]いよいよしきりに。「しぶたにの崎の荒磯(ありそ)に寄する波—古(いにしへ)思ほゆ」〈万・三九八六〉
いや‐たか・し【弥高し】
[形ク]ますます高い。いよいよ高い。「この河の絶ゆる事なくこの山の—・からし」〈拾遺・雑下〉
うた‐だの・し【転楽し】
[形シク]非常に楽しい。いよいよ楽しい。「この御酒(みき)の御酒のあやに—・し」〈記・中・歌謡〉
いら・れる【焦れる/苛れる】
[動ラ下一][文]いら・る[ラ下二]心が落ち着かないで、いらだつ。「身は弥々(いよいよ)危く心は益々—・れる」〈風葉・下士官〉 「心もとなけれど、なほなほとうちつけに—・れむも様あしければ」〈源...
うたた【転】
[副] 1 ある状態が、どんどん進行してはなはだしくなるさま。いよいよ。ますます。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう。「—同情の念に堪えない」 2 (「うたたあり」の...
いよし
女性が手紙の最後に用いた語。いよいよ。ますます。いよよ。「袖(そで)から渡す一結び片仮名のより五大力、—とまではほの見ゆる」〈浄・三世相〉 [補説]「いよ〱」の反復記号「〱」を「し」に誤った語と...
いよよ【愈】
[副]《「いよいよ」の音変化》ますます。いっそう。「昔見し象(きさ)の小川を今見れば—さやけくなりにけるかも」〈万・三一六〉
いよ【弥】
[副]《「いや」の音変化》いよいよ。ますます。「宿なき人の如く、—遠くわれは歩まん」〈荷風訳・そゞろあるき〉
いやひけ‐に【弥日異に】
[副]日を追っていよいよ。日増しに。「常なりし笑まひ振る舞ひ—変はらふ見れば悲しきろかも」〈万・四七八〉
いや‐まさ・る【弥増さる】
[動ラ五(四)]数量がますます多くなる。いよいよ程度がはなはだしくなる。しだいに募る。「—・る恋心」