く【消】
[動カ下二]消える。「降り置ける雪の常夏にけずて渡るは」〈万・四〇〇四〉 「梅の花早くな散りそ雪はけぬとも」〈万・八四九〉 「立山の雪しくらしも」〈万・四〇二四〉 [補説]「消ゆ」に先行する上代...
くもら◦う【曇らふ】
[連語]《動詞「くも(曇)る」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》空一面に曇る。「はなはだも降らぬ雪故こちたくも天つみ空は—◦ひにつつ」〈万・二三二二〉
け【日】
《上代語。「か(日)」と同語源という》二日以上にわたる日のこと。日々(ひび)。 →日(け)長し →朝に日(け)に「一日(ひとひ)こそ人も待ちよき長き—をかくのみ待たばありかつましじ」〈万・四八四〉
こす
[助動][こせ|○|こす|○|○|こせ(こそ)]《上代語》動詞の連用形に付く。他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。「我(あれ)ゆ後生まれむ人は我(あ)がごとく恋する道に会ひこすなゆめ」〈...
さ‐ね
[連語]《尊敬の助動詞「す」の未然形+終助詞「ね」。上代語》敬意を込めて相手にぜひそうしてほしいという気持ちを表す。…なさいね。「難波潟(なにはがた)潮干に出でて玉藻刈る海人娘子(あまをとめ)ど...
ざ◦らし
[連語]《打消しの助動詞「ず」の連体形に推量の助動詞「らし」の付いた「ざるらし」の音変化「ざんらし」の撥音無表記。上代語》…ないらしい。「世の中はまこと二代(ふたよ)は行か—◦らし過ぎにし妹に逢...
しまし【暫し】
[副]《上代語》「しばし」の古形。「奈呉の海に舟—貸せ沖に出でて波立ち来やと見て帰り来む」〈万・四〇三二〉
しまし‐く【暫しく】
[副]《上代語》「しまし」に同じ。「—もひとりありうるものにあれや島のむろの木離れてあるらむ」〈万・三六〇一〉
しわぶか◦う【咳かふ】
[連語]《動詞「しわぶく」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》しきりにせきをする。「糟湯酒(かすゆざけ)うちすすろひて—◦ひ鼻びしびしに」〈万・八九二〉
す
[助動][さ|し|す|す|せ|せ]《上代語》四段・サ変動詞の未然形に付く。軽い尊敬、または親愛の意を表す。…なさる。「我が形見見つつ偲(しの)はせあらたまの年の緒長く我も思はむ」〈万・五八七〉 ...