1 五十音図サ行の第3音。歯茎の無声摩擦子音[s]と母音[u]とから成る音節。[su]
2 平仮名「す」は「寸」の草体から。片仮名「ス」は「須」の末3画の行書体から。
川・湖・海の底に土砂がたまって高くなり水面上に現れたもの。河口付近などの比較的浅い場所にできる。「中―」「砂―」「三角―」
1 装わないで生地 (きじ) のままであること。また、他のものが加わらないでそのものだけであること。「化粧せず素のままで店に出る」
2 日本の音楽・舞踊・演劇などの演出用語。芝居用の音楽を芝居から離して演奏会風に演奏したり、長唄を囃子 (はやし) を入れないで三味線だけの伴奏で演奏したり、舞踊を特別の扮装 (ふんそう) をしないで演じたりすること。「素で踊る」「素で浄瑠璃を語る」
1 形容詞に付いて、非常に、ひどく、の意を表す。「素ばしこい」「素早い」
2 名詞などに付く。
㋐平凡な、みすぼらしい、などの意を表す。「素浪人」「素町人」
㋑ただそれだけの、ありのままの、純粋な、などの意を表す。「素顔」「素足」「素うどん」
1 鳥・獣・虫などのすむ所。「ネズミの―」「小鳥の―」
2 人の住む所。すみか。「愛の―」
3 よくない仲間が寄り集まる場所。「悪党の―」
4 クモが獲物を捕まえるために張る網。
割り竹・葦 (あし) などを粗く編んだもの。「簀巻き」「葭簀 (よしず) 」
1 大根・牛蒡 (ごぼう) などの芯 (しん) にできるすきま。「鬆が入 (い) る」
2 豆腐・卵などを煮すぎたためにできる多数の細かい穴。鋳物などに急に高い熱を加えたときにも生じる。「鬆が立つ」
1 相手が自分の思うようにするように、また、ある事態が起こるようにしむける意を表す。
「例の声出 (い) ださせて、随身に歌はせ給ふ」〈堤・貝合〉
2 動作を他に任せておいて結果的にそうなることを表す。…のままにする。…させておく。
「ただ兄弟二人あるものが、兄を討たせて、弟 (おとと) が一人残り留まったらば」〈平家・九〉
3 (多く「たまふ」など尊敬の意を表す語とともに用いられて)尊敬の意を強める。なさる。
⇒すう