おおかた‐は【大方は】
[副] 1 普通のことでは。「—何かも恋ひむ言挙(ことあ)げせず妹に寄り寝む年は近きを」〈万・二九一八〉 2 よく考えてみると。「—月をもめでじこれぞこの積もれば人の老となるもの」〈古今・雑上〉
おお‐ぬさ【大幣】
1 大祓(おおはらえ)のときに用いる大串につけた、ぬさ。祓(はらえ)のあと、人々がこれを引き寄せて身のけがれをそれに移して、川に流したという。「—の引く手あまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけ...
おき‐つ‐しらなみ【沖つ白波】
沖に立つ白波。「なごのうみの霞の間よりながむれば入る日をあらふ—」〈新古今・春上〉 [補説]沖の白波が「立つ」ところから「立田山」の、また、白波の「しら」と同音であるところから「知らず」の序詞と...
おき‐つ‐なみ【沖つ波】
[名]沖に立つ波。「—来寄する荒磯(ありそ)をしきたへの枕とまきて寝(な)せる君かも」〈万・二二二〉
[枕]波の動く状態から「競(きほ)ふ」「頻(し)く」「高し」「立つ」「撓(とを)む」など...
おき‐まどわ・す【置き惑はす】
[動サ四] 1 他と見分けがつきにくいように置く。「心あてに折らばや折らむ初霜の—・せる白菊の花」〈古今・秋下〉 2 どこかに置き忘れて、見失う。「かぎを—・しはべりて、いと不便(ふびん)なるわ...
おき‐まよ・う【置き迷ふ】
[動ハ四] 1 露や霜などが置き乱れる。ひどくおりる。「ひとり寝る山鳥の尾のしだり尾に霜—・ふ床の月影」〈新古今・秋下〉 2 露や霜が置いたのかと見誤る。「霜を待つまがきの菊の宵のまに—・ふ色は...
おざさ‐はら【小笹原】
ササが生い茂っている野原。「—風待つ露の消えやらずこのひとふしを思ひおくかな」〈新古今・雑下〉
おし‐な・む【押し靡む】
[動マ四]「押し靡(な)ぶ1」に同じ。「秋の野の草葉—・み置く露に濡れてや人の尋ねゆくらむ」〈新古今・秋下〉
おしね【晩稲】
《「おそいね」の音変化という》稲の、遅く成熟するもの。おくて。「うき身には山田の—おしこめて世をひたすらに恨みわびぬる」〈新古今・雑下〉
おそ・る【恐る/怖る/畏る/懼る】
[動ラ上二]「恐れる」に同じ。「善根には微少なる広説せば、ないし後世の苦果を見ず—・りじ」〈東大寺本地蔵十輪経元慶七年点〉
[動ラ四]「恐れる」に同じ。「若(も)し疾疫の鬼魅(きみ)身に著く...