かくれ‐づま【隠れ妻】
人に知られないようにもつ妻。かくしづま。「色に出でて恋ひば人みて知りぬべみ心の内の—はも」〈古今六帖・五〉
かくれ‐ぬ【隠れ沼】
《隠(こも)り沼(ぬ)を誤読して出来た語か》草などに覆われてよく見えない沼。こもりぬ。「人づてにしらせてしがな—のみごもりにのみ恋ひやわたらむ」〈新古今・恋一〉
かけ‐ことば【掛け詞/懸け詞】
一つの言葉に同時に二つの意味をもたせる修辞法。「立ち別れいなばの山の峰におふるまつとし聞かば今帰り来(こ)む」〈古今・離別〉の歌で、「いなば」に「立ち別れ往(い)なば」と「因幡(いなば)の山」の...
かささぎ‐の‐はし【鵲の橋】
1 七夕の夜、牽牛(けんぎゅう)・織女の二星が会うとき、カササギが翼を並べて天の川に渡すという想像上の橋。男女の契りの橋渡しのたとえにも用いる。鵲橋(じゃっきょう)。烏鵲橋(うじゃくきょう)。《...
かさとり‐やま【笠取山】
京都府宇治市北東部の山。醍醐山(だいごさん)の東にある。標高371メートル。紅葉の名所。[歌枕]「雨ふれば—のもみぢばは行きかふ人の袖さへぞてる」〈古今・秋下〉
かざし‐ぐさ【挿頭草】
1 《新古今集・春下の「ももしきの大宮人はいとまあれや桜かざして今日もくらしつ」の歌から》桜の異称。 2 《賀茂祭でかざしにするところから》フタバアオイの別名。《季 夏》
かしら‐の‐ゆき【頭の雪】
年をとって白くなった髪を雪にたとえていう語。「頭の霜」ともたとえる。「春の日の光にあたる我なれど—となるぞわびしき」〈古今・春上〉
か‐じつ【花実】
1 花と実。 2 歌論用語で、外観と実質。表現と内容。「中比(なかごろ)古今の時、—共に備はりて」〈無名抄〉
かすが‐の【春日野】
奈良市、春日山の麓一帯の野原。[歌枕]「—の飛火の野守いでてみよ今いくかありて若菜つみてむ」〈古今・春上〉
かず‐な・し【数無し】
[形ク] 1 物の数ではない。取るに足りない。つまらない。また、はかない。「古(いにしへ)ゆ言ひ継ぎ来らし世の中は—・きものそ」〈万・三九七三〉 2 数限りがない。「ふりしけば—・くたまる白雪の...