夢(ゆめ)の徴(しるし)
何かの前兆を夢で見ること。「春の夜の—はつらくとも見しばかりだにあらば頼まむ」〈新古今・恋五〉
夢(ゆめ)の直路(ただじ)
夢の中で通うまっすぐな道。夢の中では思う人のもとに行けるところからいう。「恋ひわびてうち寝(ぬ)るなかに行き通ふ—はうつつならなむ」〈古今・恋二〉
ゆら‐の‐と【由良の門】
紀淡海峡。特に、兵庫県洲本市由良の付近をいう。[歌枕]「—を渡る舟人揖(かぢ)を絶えゆくへも知らぬ恋の道かな」〈新古今・恋一〉
京都府北部の由良川の河口。西岸は宮津市由良。[歌枕] [補説]...
よ・く【避く】
[動カ四]「よける」に同じ。「秋風にさそはれわたる雁がねはもの思ふ人の宿を—・かなむ」〈後撰・秋下〉
[動カ上二]「よける」に同じ。「玉川の人をも—・きず鳴く蛙このゆふかげはをしくやはあらぬ...
よし‐や【縦や】
[副]《副詞「よし」+間投助詞「や」から》 1 たとえ。かりに。よしんば。「—せつない思をしても」〈鴎外・雁〉 2 ままよ。どうなろうとも。「流れては妹背の山の中に落つる吉野の河の—世の中」〈古...
よそ‐げ【余所げ】
[形動ナリ]よそよそしいさま。知らん顔でいるさま。「もみぢ葉はおのが染めたる色ぞかし—における今朝の霜かな」〈新古今・冬〉
よ‐たた【夜直】
[副]《「よただ」とも》夜の間じゅうずっと。夜通し。一晩中。「わがごとく物や悲しきほととぎす時ぞともなく—鳴くらむ」〈古今・恋二〉
よつ‐の‐とき【四つの時】
《「四時(しじ)」を訓読みにした語》春・夏・秋・冬の四季。1年。「天(あめ)の下しろしめすこと—九(ここ)のかへりになむなりぬる」〈古今・仮名序〉
よどがわ‐の【淀川の】
[枕]同音の「よど」にかかる。「—よどむと人は見るらめど」〈古今・恋四〉
よどまり‐ひどまり【夜泊まり日泊まり】
昼夜の区別無く、家を留守にして遊び回ること。「それだからお帰りも遅くならうし、又は—もございますのさ」〈滑・古今百馬鹿〉